相続登記をするため、遺産分割協議書を作成し、相続人の全員による署名押印をしたものの、登記申請をおこなっていなかったとします。今になって、相続登記の申請をしようとしたところ、相続人の住所が変わってしまっていた場合、何らかの書類や手続きが必要になるのでしょうか。

相続登記や、相続登記の必要書類については、不動産登記の専門家である司法書士にご相談ください。高島司法書士事務所(千葉県松戸市)へのご相談については、、ご相談予約・お問い合わせのページをご覧になって事前にご連絡くださいますようお願いいたします。

遺産分割協議書・印鑑証明書の住所と現住所とが違う場合
1.相続登記の必要書類の有効期限
2.申請人の住所が変わっている場合
3.住所の変更を証する書面
4.他の相続人の住所が変わっている場合

1.相続登記の必要書類の有効期限

相続登記申請の添付書類となる、戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本、住民票(除票)、戸籍(除籍)の附票、印鑑証明書などについては、発行から3ヶ月などの有効期限が決まっているものはありません。

よって、上記の必要書類と遺産分割協議書などがすべて揃っていれば、遺産分割協議書を作成したときから長期間が経過しているときであっても、相続登記の申請をすることはできます。

したがって、書類を揃えたものの登記をしていなかったような場合でも、当時の書類がすべて残っているのであれば、今から相続登記の申請をすることが可能であるはずです。

書類が古くなってしまっているからと諦めずに、不動産登記の専門家である司法書士にご相談ください。

2.申請人の住所が変わっている場合

遺産分割協議書へ相続人全員が署名押印したうえで、印鑑証明書の交付を受けていたものの、相続登記申請をしていなかったとします。遺産分割協議書に添付する印鑑証明書には有効期限の定めがありませんから、そのような場合であっても、後から相続登記をすることはもちろん可能です。

ただし、相続登記の申請をする際には、申請人(不動産を取得する相続人)について、住所を証する書面(住民票、戸籍の附票)が必要となります。

遺産分割協議書に記載されている住所と、現在の住民票(または、戸籍の附票)に記載されている住所とが異なる場合、相続登記をするためにはどのような書類が必要となるのでしょうか。

3.住所の変更を証する書面

遺産分割協議がいちど成立すれば、その後いくら時間が経過していても効力が失われることはありません。したがって、相続人の住所が変わっている場合であっても遺産分割協議書の有効性には影響がなく、当時の遺産分割協議書を添付して相続登記をすることができるのは当然です。

しかしながら、申請人(不動産を取得する相続人)について、遺産分割協議書に記載されている住所と、現在の住民票(または、戸籍の附票)に記載されている住所とが異なる場合、そのままでは、同一人物であることが証明できません。

この場合、遺産分割協議書(および印鑑証明書)に記載の住所から、現住所に至るまでのつながりが分かる住民票(住民票の除票、戸籍の附票)などを用意し、相続登記の添付書類とします。そうすることにより、その相続人の同一性が証明でき、登記が可能となるわけです。

4.他の相続人の住所が変わっている場合

相続登記により不動産を取得しない相続人は、その登記申請についての申請人になりません。よって、遺産分割協議書(および印鑑証明書)に記載されている住所と、登記申請をする時点での住所とが異なる場合であっても、相続登記の申請をするのにあたって、新たに住民票などを取得する必要はありません。

ただし、司法書士などの専門家へ相続登記の依頼をしたときに、司法書士から相続人全員への意思確認をおこなうような場合については、住所変更の経緯が分かる書類(住民票除票、戸籍の附票)などによる確認が必要となることもあるでしょう。

関連ページ(相続と登記手続の相談室)

相続登記のよくある質問