遺贈とは、遺言により遺言者の財産(不動産など)を贈与することをいいます。法定相続人ではない人に遺産を与えるために遺贈がおこなわれます。不動産の遺贈を受けた場合、相続開始後に遺贈を受けた方(受遺者)へ名義変更の登記をします。これが、遺贈による所有権移転登記です。

遺贈による不動産の登記は、登記権利者である受遺者と、登記義務者(遺言執行者、または遺言者の相続人全員)の共同申請によります。相続登記(相続を原因とする所有権移転登記)では、相続人による単独申請がおこなえるのに対し、遺贈の登記では遺言者の相続人(または遺言執行者)が登記義務者として手続きに関与しなければならないのです。そのため、遺贈登記は相続登記よりも難易度が高いことが多く、司法書士に依頼する必要性がより高いといえます。

1.遺贈登記の必要書類

遺贈による所有権移転登記の必要書類は、個々のケースによって判断が難しいこともあります。まずは、司法書士にご相談いただければ、わかりやすく丁寧にご説明を差し上げますが、おもな必要書類は次のようなものです。

1-1.遺言執行者の選任がある場合

遺言書に、遺言者の財産を贈与(遺贈)することと併せて、遺言執行者の指定がされている場合です。このときは、受遺者を登記権利者、遺言執行者を登記義務者として、共同で登記申請をします。なお、受遺者が遺言執行者であるときには、登記権利者兼登記義務者亡○○遺言執行者として、単独で登記申請ができます。

1.登記原因証明情報

遺贈による所有権移転登記の登記原因証明情報は、遺言書、遺言者が死亡した旨の記載のある戸籍謄本(除籍謄本)です。また、受遺者の戸籍謄本も必要です。遺言者と受遺者の死亡の前後が遺言の効力にかかわることがあるからです。
遺言書が自筆証書(手書きの遺言書)など公正証書以外による場合には、遺贈登記をする前に、家庭裁判所による遺言書検認を受けることが必要です。裁判所による検認済証明書が付いた遺言書が、遺贈登記の必要書類となります。

2.登記済権利証、または登記識別情報通知書

遺言者が不動産の所有権を取得したときの、登記済権利証(または登記識別情報通知書)です。

3.遺言執行者の印鑑証明書

法務局へ登記申請をする時点で、発行後3か月以内のものが必要です。

4.受遺者の住民票

住民票は本籍地の記載を省略しないでください。

5.固定資産評価証明書

登記をする年度の、固定資産評価証明書です。たとえば、平成26年4月1日から、平成27年3月31日までの間に登記するのであれば、平成26年度のものを使用します。

6.代理権限証明情報

遺言書により遺言執行者を指定している場合、遺言執行者の資格を証するため、遺言書、および遺言者が死亡した旨の記載のある戸籍謄本等を添付します。
家庭裁判所により遺言執行者が選任された場合には、遺言執行者の選任審判書を添付します。このときは、遺言者の死亡を証する書面(戸籍謄本など)は添付不要です。また、遺言書は遺言執行者の選任審判書だけでは、遺言の内容が不明な場合のみ添付が必要です。
代理人(司法書士)により登記申請する場合には、受遺者および遺言執行者から代理人への委任状も必要です(委任状は司法書士が作成したものに、署名押印をいただきます)。

7.その他

遺言者の登記簿上の住所と、戸籍謄本に記載の本籍とを関連づけるために、遺言者の住民票除票(または、戸籍附票)も添付します。

2-2.遺言執行者の選任が無い場合

遺言書に、遺言者の財産を贈与(遺贈)することは書かれているが、遺言執行者の指定はされていない場合です。このときは、受遺者を登記権利者、遺言者の相続人全員を登記義務者として、共同で遺贈による所有権移転登記の申請をします。

なお、遺言書による遺言執行者の選任が無い場合でも、家庭裁判所に遺言執行者の選任をしてもらったうえで、遺言執行者と受遺者の共同申請により登記をすることも可能です。

1.登記原因証明情報

登記原因証明情報として、遺言書、遺言者が死亡した旨の記載のある戸籍謄本(除籍謄本)、受遺者の戸籍謄本。また、登記義務者が遺言者の相続人であることを証する戸籍謄本等が必要です。
遺言書が自筆証書(手書きの遺言書)など公正証書以外による場合には、遺贈登記をする前に、家庭裁判所による遺言書検認を受けることが必要です。裁判所による検認済証明書が付いた遺言書が、遺贈登記の必要書類となります。

2.登記済権利証、または登記識別情報

遺贈者が不動産の所有権を取得したときの、登記済権利証(または登記識別情報)です。

3.遺言者(遺贈者)の相続人全員の印鑑証明書

法務局へ登記申請をする時点で、発行後3か月以内のものが必要です。

4.受遺者の住民票

住民票は本籍地の記載を省略しないでください。

5.固定資産評価証明書

登記をする年度の、固定資産評価証明書です。たとえば、平成24年4月1日から、平成25年3月31日までの間に登記するのであれば、平成24年度のものを使用します。

6.代理権限証明情報

代理人(司法書士)により登記申請する場合には、受遺者および遺言者(遺贈者)の相続人全員から司法書士への委任状(委任状は司法書士が作成したものに、署名押印をいただきます)。

7.その他

遺言者の登記簿上の住所と、戸籍謄本に記載の本籍とを関連づけるために、遺言者の住民票除票(または、戸籍附票)も添付します。

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