共有名義での相続登記の問題点は

相続登記をする際は、相続人中の1人の名義にすること、2名以上の相続人の共有名義にすることのどちらも可能です。

共有名義にするときであっても、遺産分割協議により「一部の相続人が任意の割合で相続する」場合と、「相続人全員の共有名義で法定相続分通りに相続する」場合とがあります。

前者の場合には、遺産分割協議により「誰がどんな割合で相続するか」を決める必要がありますから相続人全員の合意が必要です。けれども、後者の「法定相続による相続登記」では、他の相続人の同意を得なくとも、相続人中の1人から登記することが可能です。

ただし、不動産を共有名義で登記するのは通常おすすめできません。さらに、他の相続人の同意を得ること無しに共有名義で登記するのはさらに問題があります。

一部の相続人が任意の割合で相続する場合
相続人全員の共有名義で法定相続分通りに相続する場合

1.一部の相続人が任意の割合で相続する場合

共有名義による相続登記

上の図で、被相続人夫の相続人は、妻および長男、長女の3人です。このケースでは、妻単独の名義に相続登記するのが最も多いと思われますが、3人の共有にすることもできますし、さらには妻と長男、長男と長女など一部の相続人の共有名義にすることも可能です。

おもな財産が自宅不動産のみである場合など、平等に遺産を分けるのが難しいときに共有名義による相続登記がおこなわれることがあります。けれども、不動産を共有名義にするのは原則として避けるべきです。それは、次のような理由によります。

まず、不動産を共有名義で登記した場合、1つの不動産を複数の人で共有している状態となります。不動産を切り分けるのではなく、全体を全員で持っている状態です。したがって、不動産が共有名義の状態で、自分の持分だけを共有者以外の第三者に売却するのは困難です。

共有不動産を売却するのであれば、共有者全員の合意にもとづき、全員で手続きをしなければなりません。さらには、共有者のうちの1人が死亡した場合には、その共有者の持分が相続人に引き継がれることで、さらに共有者が増えてしまうこともあります。

つまり、遺産分割協議がまとまらないからといって不動産を共有にしてしまうのは、問題を先送りにしているだけでなく、将来的にもその不動産を処分するのが不可能にもなりかねないのです。

2.相続人全員の共有名義で法定相続分通りに相続する場合

相続人全員の共有名義で法定相続分通りに相続するのを、法定相続による相続登記といっています。上図の例でいえば、その法定相続分どおりに相続登記すると次のようになります。

・持分2分の1 妻
・持分4分の1 長女
・持分4分の1 長男

法定相続による相続登記では遺産分割協議書が不要です。さらには、他の相続人の同意を得ることなしに、相続人中の1人から登記手続きをしてしまうことも可能です(保存行為)。

ただし、法定相続による相続登記をしても「相続人全員の共有」になるだけですから、自分の持分だけを第三者に売却することは困難ですし、通常は何の意味もありません。

それでも、家族全員が法定相続分どおりに相続するのが平等だと考えるならば、もちろん、それでも差し支えありません。しかし、その場合であっても、登記手続きをする際には、相続人全員が申請人となるべきです。

もしも、相続人中の1人によって登記手続きをしてしまった場合、申請人とならなかった相続人に対しては、登記識別情報が通知されないからです。登記識別情報通知がなくとも所有者(共有者)であることに変わりはありませんが、はじめから権利証がないのと同じような状態になってしまいます。

よって、法定相続による相続登記をする場合であっても、全員が申請人になるべきです(司法書士に登記手続きを依頼するときは、相続人全員から司法書士に委任状を出すということです)。

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