認知症・知的障害・精神障害などにより判断能力が失われている相続人は自分自身で遺産分割協議をおこなうことができません。そこで、不動産の名義変更をするため遺産分割協議書を作成するときには、その相続人のために成年後見人の選任をする必要があります。
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申請人が未成年者であるときの代理権限証明情報
法定相続による相続登記をする際には、相続人の全員を明らかにする戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本が必要となります。また、親権者が未成年者を代理して登記するときには、代理権限証明情報として親権を証明する戸籍謄本も必要です。
相続人の中に相続放棄をした人がいる場合
相続放棄をした人は、最初から相続人でなかったものとみなされます。よって、相続登記をする際には、相続放棄をしたことを証する書面を添付します。この相続放棄をしたことを証する書面となるのは、家庭裁判所が発行する「相続放棄申述受理証明書」です。相続放棄を受理した際に家庭裁判所から送られてくる「相続放棄申述受理証明書」では、相続登記の添付書類とはなりませんのでご注意ください。
相続人中に未成年者がいる場合の法定相続による相続登記
通常は未成年者が遺産分割協議などの法律行為をしようとするときは、親権者が法定代理人として未成年者の代わりに手続きを行いますが、上記のケースでは未成年者と親権者との間で利益相反が生じます。そこで、子供の利益を守るために、法定代理人である親権者の代わりに、特別代理人を選任することになるのです。しかし、相続人中に未成年者がいる場合でも、法定相続分どおりの共有名義に相続登記するのであれば、遺産分割協議をする必要がありません。したがって、遺産分割協議のための特別代理人の選任も不要なわけです。
遺産分割協議書に添付する印鑑証明書の期限
遺産分割協議による相続登記の申請をする際には、相続人が実印により押印した遺産分割協議書と印鑑証明書を添付します。この印鑑証明書には発行後何ヶ月以内というような有効期限はありません。ただし、銀行預金や郵便貯金、株式など、不動産の相続登記以外の遺産相続手続きに使用する印鑑証明書では、発行後3か月や6か月以内など有効期限が定められていることが多いのでご注意ください。
遺産分割協議書の書き方・サンプル
司法書士の専門家などに依頼する前に、相続人がご自分で遺産分割協議書を作ろうとするときは、書き方やサンプルを見て間違いの無いものを作成してください。また、ご自分で遺産分割協議書を作成した場合、相続人による署名押印をする前に、司法書士などの法律専門家による確認を受けることを強くお勧めします。相続人がご自分で作られた遺産分割協議書は、そのまま登記に使用できないケースが非常に多いです。
代償分割をする場合の遺産分割協議書の記載例
代償分割とは、相続人中のある人が自らの法定相続分以上の遺産を取得する代わりに、他の相続人に対してその法定相続分に対する不足分相当額を金銭などで支払うことによりおこなう遺産分割の方法です。代償分割をするときは、遺産分割協議書に代償金の支払い方法等についても記載します。
数次相続の場合の肩書き(遺産分割協議書の記載例)
数次相続が生じている場合の遺産分割協議書では、相続人として書かれている当事者のうち、誰が誰の相続人として遺産分割協議に参加しているのかが分かるような肩書にすれば良いわけです。ただし、複数の相続が発生している場合の相続登記は、遺産分割協議書の作成だけでなく必要な戸籍(除籍、原戸籍)等の判断も難しい場合が多いので、相続登記の専門家である司法書士に依頼するのが通常でしょう。