通常は未成年者が遺産分割協議などの法律行為をしようとするときは、親権者が法定代理人として未成年者の代わりに手続きを行いますが、上記のケースでは未成年者と親権者との間で利益相反が生じます。そこで、子供の利益を守るために、法定代理人である親権者の代わりに、特別代理人を選任することになるのです。しかし、相続人中に未成年者がいる場合でも、法定相続分どおりの共有名義に相続登記するのであれば、遺産分割協議をする必要がありません。したがって、遺産分割協議のための特別代理人の選任も不要なわけです。
「相続登記」の記事一覧(2 / 2ページ目)
遺産分割協議書に添付する印鑑証明書の期限
遺産分割協議による相続登記の申請をする際には、相続人が実印により押印した遺産分割協議書と印鑑証明書を添付します。この印鑑証明書には発行後何ヶ月以内というような有効期限はありません。ただし、銀行預金や郵便貯金、株式など、不動産の相続登記以外の遺産相続手続きに使用する印鑑証明書では、発行後3か月や6か月以内など有効期限が定められていることが多いのでご注意ください。
遺産分割協議書の書き方・サンプル
司法書士の専門家などに依頼する前に、相続人がご自分で遺産分割協議書を作ろうとするときは、書き方やサンプルを見て間違いの無いものを作成してください。また、ご自分で遺産分割協議書を作成した場合、相続人による署名押印をする前に、司法書士などの法律専門家による確認を受けることを強くお勧めします。相続人がご自分で作られた遺産分割協議書は、そのまま登記に使用できないケースが非常に多いです。
代償分割をする場合の遺産分割協議書の記載例
代償分割とは、相続人中のある人が自らの法定相続分以上の遺産を取得する代わりに、他の相続人に対してその法定相続分に対する不足分相当額を金銭などで支払うことによりおこなう遺産分割の方法です。代償分割をするときは、遺産分割協議書に代償金の支払い方法等についても記載します。
数次相続の場合の肩書き(遺産分割協議書の記載例)
数次相続が生じている場合の遺産分割協議書では、相続人として書かれている当事者のうち、誰が誰の相続人として遺産分割協議に参加しているのかが分かるような肩書にすれば良いわけです。ただし、複数の相続が発生している場合の相続登記は、遺産分割協議書の作成だけでなく必要な戸籍(除籍、原戸籍)等の判断も難しい場合が多いので、相続登記の専門家である司法書士に依頼するのが通常でしょう。
遺産分割協議書・印鑑証明書の住所と、現住所が違う場合
遺産分割協議が成立すれば、いくら時間が経ったとしてもその効力が失われることはありません。したがって、住所が変わっても遺産分割協議書の有効性には影響がなく、当時の遺産分割協議書を添付すれば問題無く相続登記をすることができます。しかしながら、相続人の住所証明書と、遺産分割協議書に記載の住所とが相違していると、同一人物であることが証明できないことになります。
被相続人の除住民票(戸籍附票)が取得不能な場合の相続登記
相続登記をするには、被相続人の最後の住所を証するための書面として、住民票除票(本籍地の記載のあるもの)または戸籍附票が必要です。 これは登記簿に所有者として記載されている人と、被相続人との同一性を証明するためです。登記簿 […]
遺産分割協議による相続登記
誰が不動産を所得するかを記した遺産分割協議書を用意します。そして、その遺産分割協議に相続人全員が署名し、実印により押印をします。遺産分割協議書が2枚以上にわたるときには、ページ間へ割印(契印)もします。さらに、遺産分割協議書に押した実印についての印鑑証明書も必要ですが、印鑑証明書と遺産分割協議書の間に割り印をする必要はなく、また、この印鑑証明書に有効期限はありません。
相続分の譲渡により、相続人以外の名義に直接変更できるか
相続分の譲渡が、相続人の地位の譲渡なのであれば、譲受人名義に相続による所有権移転登記ができても良さそうですが、そのような登記は認められていません。いったん相続人名義に相続登記をした後に、相続分の譲受人に対して名義変更をする必要があります。このときの登記原因は、相続分の譲渡ではなく、相続分の贈与、または相続分の売買です。
権利証を紛失しているとき
権利証を提出するのは、それが不動産の所有者でなければ持っていないはずの書類だからです。つまり、権利証を差し出すことによって、不動産所有者がその所有権を失ったり、担保権を設定されることに同意していることを表そうとするのです。そのため、不動産の名義人が手続きに関与しない相続登記では、権利証の提出を求められていません。自宅に保管してある権利証を相続人が持参したとしても、それが被相続人(不動産の名義人)の意思を表していることにはならないからです。
他に相続人がいないことの証明書(相続登記)
除籍簿が消失し、再製ができなかったとなれば、誰が相続人の全員であるかを戸籍等によって証明することは不可能となってしまいます。この場合に相続登記をするためには、除籍消失により謄本が交付できないことについての「告知書」を区役所等から公布してもらいます。さらに、相続人全員による「他に相続人がいないことの証明書」を作成し、署名押印(実印)のうえ、印鑑証明書を添付することもあります。
不動産を法定相続する相続登記
共同相続人のうちの一部の人が、相続人全員のための相続登記をすることができます(相続人全員のための、保存行為として認められるものです)。ただし、相続人中の一部の人による申請でも、自己の持分のみについての登記申請は認められず、共同相続人全員について登記申請しなければならないとされています。