相続による不動産(土地、家屋)の名義変更は、その不動産所在地を管轄する法務局でおこないます。
たとえば、東京都豊島区にある不動産であれば、区内にある東京法務局豊島出張所が管轄ですが、東京法務局城北出張所(足立区、葛飾区を管轄)のように、1つの法務局が複数の区を管轄している場合もありますから、事前に確認をしてください(法務局のホームページで、管轄のご案内をご覧になれます)。
不動産登記は管轄法務局のみでの取り扱いとなり、別の法務局を経由して登記申請をするというような方法は存在しません。よって、相続人の方がご自分で手続きをしようとするときは、不動産所在地を管轄する法務局まで何度も足を運ぶ必要があると思われます。
オンライン・郵送による相続登記申請
しかし、相続登記などの不動産登記は、申請書やその他の必要書類を法務局に郵送することもできます。さらに、不動産登記の専門家である司法書士であれば、インターネットを利用したオンライン登記申請に対応していることもあります。
オンライン登記申請であれば、司法書士事務所内にいながら全国の法務局への手続きをすることができます。したがって、わざわざ不動産所在地を管轄する法務局近くの司法書事務所へ行かずとも、ご自宅の近くにある司法書士に依頼するのが便利です。
オンライン(または、郵送)による登記申請に対応している司法書士事務所であれば、遠方の不動産についての登記手続きだからといって追加費用がかかるようなことは無いはずです(ただし、司法書士へ依頼する前には、必ず見積もりをしてもらい費用の内訳についても確認することをお勧めします)。
相続人がご自分で郵送により相続登記を申請できるか
不動産登記の専門家では無い一般の方がご自分で相続登記をおこなう場合、郵送による申請をおこなったとしても、登記申請書や添付書類に誤りがあれば法務局に出向いて修正(補正)をすることになるでしょう。そうであれば、遠方の法務局に郵送申請してしまった場合には、大変な労力がかかることになります。
相続登記を何度も自分でしたことがあるのであれば、郵送でも間違いなく手続きができるかもしれませんが、そのような方はほとんどいらっしゃらないはずです。よって、相続人がご自分で手続きをしようとする場合には、登記完了までに何度も法務局へ足を運ばなければならないのが通常なのです。
ところが、司法書士が相続登記をする場合、そもそも補正が必要になるようなケース自体がごくわずかであることに加え、仮に補正が必要になったとしてもオンライン(または、郵送)による対応が可能であるはずです。よって、現地調査が必要となるようなケースを除いては、全国どこにある不動産であっても、問題無く手続きをすることができるのです。