相続による所有権移転登記の登記原因は、「○年○月○日 相続」となります。この年月日は、相続開始日(被相続人の死亡の日)です。
登記原因の年月日は、遺産分割協議が成立したのが、相続開始から何年も経った後である場合でも同様です。遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずるからです(民法909条)。
登記原因が「推定○年○月○日相続」となるとき
死亡年月日は戸籍に記載されていますが、水難、火災その他の事変により死亡とみなされた場合や、近年では独居されていた方が孤独死されたときなど、正確な死亡年月日が分からないこともあります。
このような場合に、戸籍(除籍)謄本へ「推定平成25年2月1日死亡」のような記載がされているときには、登記原因も「推定平成25年2月1日相続」のようになります。
ほかにも、「年月日不詳」、「平成25年1月1日から同月20日の間」となっているときには、「年月日不詳相続」、「平成25年1月1日から同月20日の間相続」のような登記原因となります。
つまり、登記原因の年月日は、戸籍の記載どおりに記載するのが原則であるわけです。
・ 被相続人の戸籍の身分事項欄に「年月日時及び場所不詳死亡・昭和何年何月何日付許可を得て同月何日除籍」とある場合には、登記原因及びその日付を「年月日不詳相続」として相続の登記を申請することができる(登研330.77)。
・ 被相続人の死亡日時が判明しないため、戸籍上「昭和45年10月1日から10月8日の間に死亡」と記載されている場合の当該被相続人の相続登記の登記原因としては「昭和45年10月1日から10月8日の間相続」としてよい(登研337.70)。