法定相続人(ほうてい そうぞくにん)とは

法定相続人とは、被相続人(亡くなった人)の権利や義務を相続する人のことで、誰が相続人となるのかは法律(民法)により次のように定められています。

まず、被相続人に配偶者(夫、妻)がいるときは、その配偶者は必ず相続人になります。そして、被相続人の子、父母、兄弟姉妹等が、次のように配偶者とともに相続人になります。

第1順位 被相続人の子(または、その代襲者)
第2順位 被相続人の直系尊属(父母、祖父母、曽祖父母 ・・・)
第3順位 被相続人の兄弟姉妹(または、その代襲者)

被相続人の子(または、その代襲者)が法定相続人となるとき

被相続人の子は、相続人となります(民法817条1項)。

また、被相続人の子に代わって、その子(被相続人の孫)や、さらにその子(被相続人のひ孫)が相続人となることもあります。これが、代襲相続(だいしゅうそうぞく)です。

代襲相続が生じるのは、被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、または相続人の欠格事由の規定に該当し、もしくは廃除によって、その相続権を失ったときです(民法817条2項)。

相続人の欠格事由に該当したり、排除されるなどということは通常あまりないので、代襲相続が生じるのは「被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき」であるのがほとんどでしょう。

また、代襲者(被相続人の孫)も、被相続人より先に亡くなっているときは、さらにその子(被相続人のひ孫)が相続人となります。これが再代襲です。

なお、代襲相続人となるのは、上記を満たした上でさらに、被相続人の直系卑属であることも条件となっています。

被相続人の直系尊属、兄弟姉妹(または、その代襲者)が法定相続人となるとき

相続人となる子(または、その代襲者)が1人もいないときには、被相続人の直系尊属、兄弟姉妹の順番で相続人となります(民法889条)。

直系尊属については、親等の異なる直系尊属がいる場合は、近い方が相続人となります。たとえば、母と祖母が存命の場合、相続人となるのは母のみだといいうことです。

さらに、相続人となる子、直系尊属がいない場合には、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。なお、代襲相続の規定は兄弟姉妹にも適用されますが、再代襲はしません。

つまり、代襲者として相続人になるのは、被相続人の兄弟姉妹の子(おい、めい)までであって、さらにその子が代襲相続することはないのです。